この森に、ひとつの封筒がのこされていた。
宛名は「六十年後の、だれかへ」。
差出人は、六十年前にこの山へ木を植えた人。
手紙には、こう書いてあった。
「わたしが植えた木は、いま、どうなっているだろう。
山の手入れは、行きとどいているだろうか。
森を見てくれる人は、ちゃんといるだろうか。
心配で、この手紙を書いている」
封筒の中には、手紙といっしょに、木でできた小さな板が入っている。
なんのための板か、まだ、だれにもわからない。
森の入り口で、ひとりの女の子が、封筒を手に待っている。
――さあ、六十年前の心配ごとを、たしかめに行こう。









